小説・蓋を開けたら
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その後は簡単な世間話に見せかけた腹の探り合いだ。と言っても、主に探ってきているのはエリカでレッド達は答えるのみだったのだが。
そこで、グリーンがずっと疑問だったのだろう、ある1つの質問をした。
「中央軍部のある街で、こんな屋敷に住んでいて大丈夫なのか?」
言外に「反政府団体の一員なんだろう」と告げれば、彼女は笑って答えた。
「大丈夫ですよ。我が家は表向き軍に忠実です。軍に潜入している私の部下も、今ではある大佐の右腕をしておりますし。それに、言いますでしょう?灯台下暗し、と」
そう言いきった彼女の顔は、なるほど、確かにこの巨大な屋敷の頭首をしている者の顔だった。
「それより、私が団体の者だと知っていたのですね」
赤からなんと聞いておりますか?と尋ねられたグリーンは、聞いたままを答えた。それを聞いたエリカは、そうですか、と呟き顔を上げた。
「少々遅れましたが、改めて自己紹介いたします。私はカントーの、ある1つの反政府団体穏健派リーダーを務めております、エリカ。偽名は草花(そうか)と申します。今後ともよろしくお願いいたします」
そう言い、彼女は緩やかに頭を下げた。
その後聞いた話しによれば、予想通り今回の情報は彼女かららしい。
そうして、作戦実行までの時間は過ぎて行く。