小説・蓋を開けたら

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 出口に近付くにつれて作業服姿が増えてくる。
 皆迷うのが嫌なのね。確かに迷ったら最後だものね。


「あまり採れていないみたいだな」


 歩きながらじっと作業を見ていたシルバーが、ぽつりと言った。


「そうみたいね」


 目を血走らせながら壁をみつめる作業服の人たちの手元には、鉱物が1つもない。
 まあ何年も同じ場所を発掘所にしていたら採れなくなるのは当たり前だけど。それでも探すのはもう執念ね。


「出口だ」


 その言葉に前を見れば、大きく開いた出入り口からまるで別世界の入り口のように光が入ってきている。
 その光が眩しくて、そっと目を細めた。




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