小説・蓋を開けたら
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洞窟を出て、一同は道なき道を進む。一番近いふもとの村では家具類などはあまり置いていないため、少し遠くに行かなければいけない。そのための近道だ。
とは言っても、今向かっている町とてそこまで大きなわけではない。ジョウトとカントーは中心都市付近ではなかなかの賑わいをみせるが、その辺り以外は発展が遅い。シンオウは城が置かれている地方だけあって1番発展しており、ホウエンは1番田舎だ。その代り独特の文化があり、なかなかに面白い。
そう言っても、洞窟内同様、きょろきょろ周りを見回しながら楽しそうな様子の2人には、田舎だろうが都会だろうが全く関係ないのだろう。
「ねえグリーン!町ってアレよね!?」
隣にいるブルーがグリーンの腕を引っ張り、見えてきた町を指さした。
グリーンが首肯すると、腕を掴んでいた手を離し小走りに駆けて行く。
「行くわよシルバー!」
「待って姉さん!」
自分を追い抜かして走って行った興奮気味のブルーと、見た目では判断しにくいが楽しそうなシルバーを見ながらグリーンはため息をついた。