小説・蓋を開けたら
□3
2ページ/4ページ
「(違う…この人は、違う、人?ピカはボクを迎えに来てくれる人達の仲間…?)」
「どうかしたかい?」
青年の声にイエローは我に返った。そして、少しずつ距離を取る。それにあせてチュチュも後ろへと下がった。ピカだけがその場から動かず、威嚇を続けている。
「どうし…」
「あなたは、…誰ですか?」
「僕は…」
「違います…!博士がボクに紹介してくれる人達じゃない!」
青年は戸惑ったようにイエローを見るが、イエローの怯えた様子が変わらないと分かると、先ほどまでの優しそうな雰囲気を一変させた。
「たく…、おとなしく着いて来れば、痛い目なくてすんだのに…」
「!?」
「おい、作戦変更だ。とっとと出てきやがれ」
その言葉に出てきたのは2人。武器を持っており、イエローと話していた青年も武器を、剣を取りだした。
イエローは怯え、身体を震わせる。それを敏感に感じとったチュチュが、友であり飼い主であるイエローを守ろうとピカに並んだ。
「あのババアの話しじゃ簡単そうだったんだがなあ…」
「にしても、酷ぇババアだよ。自分の姪っ子を売りやがるんだからな」
「ま、それを買い取っちゃう俺らも俺らだけど?」
「ババア」「姪を売る」その言葉を聞いたとたん、イエローに目の前が真っ黒に染まるという感覚が襲った。