小説・蓋を開けたら
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「それなら事情を話して、旅行気分で各地を周ってもらったらどうだ?」
レッドがさも名案だと言わんばかりに提案した。
提示された1つの選択肢に、ブルーとオーキドは数度瞬きをくり返し、嬉しそうな顔で頷いた。
「そうね!そうすればもうパパとママを心配させなくて済むものね!」
「そうじゃな。よし、次帰ってきたときに言っておこう」
どうやら、レッドの案で纏まったようだ。喜ぶブルーにレッドも自然と笑顔になる。だが、次の瞬間、空気が一変した。
「な、何事じゃ!」
先ほどまでの雰囲気を割るような轟音、それと共に襲う強烈な振動に、体勢を崩したオーキドが叫ぶ。体制こそは崩していないものの、2人は行き成りのことに目を見開いていた。
「この感じって…!」
「博士とブルーは此処に居て!オレが見てくる!」
言うや否や、レッドはオーキド邸から飛び出した。相変わらずのその速さに、ブルーが慌てて付いて行く。
「っちょ、待ちなさい!」
「レッド!ブルー!」
走り出したレッドに、その後を追うブルー。あっという間に見えなくなった2人の後ろ姿に、1人残されたオーキドは焦りを感じながら緊急事態に備えた。
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