小説・蓋を開けたら

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「(違う…この人は、違う、人?ピカはボクを迎えに来てくれる人達の仲間…?)」

「どうかしたかい?」


 青年の声にイエローは我に返った。そして、少しずつ距離を取る。それにあせてチュチュも後ろへと下がった。ピカだけがその場から動かず、威嚇を続けている。


「どうし…」

「あなたは、…誰ですか?」

「僕は…」

「違います…!博士がボクに紹介してくれる人達じゃない!」


 青年は戸惑ったようにイエローを見るが、イエローの怯えた様子が変わらないと分かると、先ほどまでの優しそうな雰囲気を一変させた。


「たく…、おとなしく着いて来れば、痛い目なくてすんだのに…」

「!?」

「おい、作戦変更だ。とっとと出てきやがれ」


 その言葉に出てきたのは2人。武器を持っており、イエローと話していた青年も武器を、剣を取りだした。
 イエローは怯え、身体を震わせる。それを敏感に感じとったチュチュが、友であり飼い主であるイエローを守ろうとピカに並んだ。


「あのババアの話しじゃ簡単そうだったんだがなあ…」

「にしても、酷ぇババアだよ。自分の姪っ子を売りやがるんだからな」

「ま、それを買い取っちゃう俺らも俺らだけど?」


 「ババア」「姪を売る」その言葉を聞いたとたん、イエローに目の前が真っ黒に染まるという感覚が襲った。
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