小説・蓋を開けたら
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2人は既に夕飯を食べ終わっていたので、余り物にプラスして簡単なものを作り、3人で夕食を食べる。
他2人はそれぞれ思い思いのことを行っている。
「あの、そう言えば」
「ん?」
ブルーと談笑しながら食べていたイエローが、不意にレッドへ話しかけた。
「ボクを助けてくれたとき、レッドさんの魔法は相手に当たっていなかったように見えたんですが…」
「ああ、あれか」
合点がいったと頷いて、レッドは説明のために食事の手を止めた。
「あれは、オレの魔力を相手に流したんだ」
「そんなことが出来るんですか?!」
「相手よりも魔力が強ければ出来ないことは無い」
イエローに魔法の知識がほとんど無いらしいと感づき、グリーンが会話に入ってくる。説明するのならば、レッドよりグリーンやブルーの方が適任だ。
「ほら、あのとき、レッドの炎が相手の魔法陣を覆ったでしょ?魔法陣を通して、自分の魔力を相手に流したのよ」
「ただし、それをするにはかなりの魔力を持っていないと出来ない」
魔力を流しても、自分が魔力切れになってしまっては元も子もない。魔力が切れれば倒れてしまう。
「向こうが気絶したのは、レッドの魔力を流し込まれたことで、本来の魔力量が上回ったせいね」
「??」
言われた事を一生懸命理解しようとしているのだろうが、イエローの頭からは今にも煙を噴き出しそうだ。
見かねたシルバーが、コップを指さしながら「これと同じだ」と言った。