小説・蓋を開けたら2
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「あのー」
ひょっこり顔を出したのは、先ほど水を手渡してくれた麦わら帽子を被った人だった。自分たちを助けてくれた人達の仲間で、クリスタルが見る限りずっと治療をしている人だ。きっとそういった知識が豊富なのだろう。
「おー、どうした麦わら君」
「ちょっと、ゴールド!恩人に向かって失礼よ!」
「ああ!いいんですいいんです!」
まだダルイのか、気だるげに返事をしたゴールドに、クリスタルが目を吊り上げる。それに対し、当人があわあわと両手を振った。
「ボクは黄っていいます。さっき聞こうとしたんですが、怪我はしてないですか?」
「わたしはクリスといいます。怪我はしていないので、大丈夫です」
「そうですか。何かあったら、遠慮なく言ってください」
にっこりと笑った黄に、クリスタルもつられて笑顔になる。
「よいしょ、」と、黄が他も回ろうと荷物を落ち上げた。
「黄ー!ゴールドもクリスと!こっち来れるか?」
赤の呼ぶ声が聞こえ、3人は顔を見合わせた。
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