小説・蓋を開けたら2

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 呼ばれた先、洞窟の外に居たのは、ゴールドやクリスタルの良く見知った人物達だった。


「ウツギ博士!?」

「ゴロウ!?」


 驚いて声を上げる2人の横で、イエローが「こんばんは」と軽く会釈をする。ウツギ博士とゴロウも挨拶を返した。


「大きなけがをしたのは2人って聞いたけど…ゴールド君、腕は大丈夫かい?」


 意識を失っていたあの父親も先ほど目を覚ましたので、唯一絶対安静はゴールドだけだ。


「また無茶したんでやんすか?」

「これくらい、どうってことねぇ!」


 心配そうな2人に、ゴールドが包帯の巻かれている右腕を振り回して見せた。直後、体を硬直させ、意味を成さない母音を発しながら蹲る。一部始終を見ていたシルバーの視線が、バカか、と雄弁に語っており、それに気付いたゴールドが、喧嘩腰で突っかかった。
 それを止めようとクリスタルが仲裁に入ったが、言葉こそ出していないものの、睨みつけるのを止めようとしない。


「おーい、そろそろ話し始めたいからこっち集まってくれ。あとゴールド、安静にしてないと悪化するぞ」


 鶴の一声とも言うべきか、レッドのその言葉にゴールドが即行した。睨みを引っ込めて、言われたとおり集まって行く。それをどこか唖然と見ながら、クリスタルもそれに続き、シルバーもブルーの傍に寄って行って、周りに倣って適当な場所に腰をおろす。

 グリーンが、ずるずると蔦で簀巻きにした人物を引き摺ってきた。レッドから報告を受けたグリーンが、シルバーが調べた情報から位置を推察し、捕まえてきた人物だ。
 こいつを捕まえた後、グリーンはレッド達と合流し、ブルーとイエロー達の元へ駆けつけたのだ。
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