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□熱いから(R)
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それはいつも通りの日常風景。
グランドでは昼休みを最大限楽しむべくサッカーに夢中になる男子や、廊下では女子達が何がそんなに楽しいのかってくらいにテンション高く好きな男子の話で花を咲かせていた。

ただいつもと違うことがあるとするならば、燐は外ではしゃいでいるクラスメイトと一緒にサッカーをすることもなく、キャッチボールをするでもなく、自分のホームクラスで居眠りをしているわけでもなかった。


要約すると、非日常的風景の中、燐は雪男にキスされている、ということだ。

え?要約になってない?
そこはまぁなんとなくでスルーしてもらいたい。

ここが学校の外れにある空き教室で、カーテンに二人で若干包まりながらチラチラ見えるグランド気にしてる、ってのが今の奥村燐の状況だ。

体が熱い。
この夏日和に男二人が密着して舌擦り合せていれば当然熱量はうなぎ登りだ。全く嬉しくないことに。

「ゆきお…熱い」
「兄さんこそ、汗すごいよ…舐めたくなる」

いったいどこで道を誤ったのか。
いやこんな変態に育ったのは道を誤るとかいうレベルではなく道から大きく踏み外れ獣道を突っ走り崖から転落したくらいの道の踏み外しっぷりでなかろうか。
兄としては弟を正しい道へと導かねばと思うが、この弟の頑固さは筋金入りなのだ。
だからたぶん矯正不可能だ、うん、諦め。

「兄さん…キスだけでもうこんなに勃ってる。そんなに気持ちよかった?熱いとか言いながら、本当は兄さん自身が熱くなってるんじゃないの」
「ちげぇよ!ただちょっと…最近溜まって…って何言わせんだよ。雪男だってもうパンパンのくせして。余裕ぶってんのバレバレだかんな」
「余裕なんていつも無いけどなぁ、僕は。特にこんな兄さんを前にしたら余裕なんて言葉はゲヘナの悪魔に食われたみたいに跡形も無く消え去るさ」
「その例えあまりピンと来ないんだけど雪男…まぁいいや。とにかく熱いから離れろよ」
「嫌だね」

くっそ…何が『嫌だね(爽やか笑顔)』だよ。
表情だけ爽やかにしたって熱いのは変わんねーんだよ。
カーテンに包まれているせいで窓から降り注ぐ日差しが燐達を蒸し焼きにしようとするし。
おまけに互いの吐く息で二酸化炭素濃度ばかり増えて非常に良くない、主に燐の周りの環境限定で。
何にしたって熱すぎるのだ。
もう燐の中では熱さ>性欲で天秤がガコンガコン傾いているというのに、変態エロシスト眼鏡雪男の天秤は性欲の方が断然勝っているらしい。
本当、頭が沸いてるんだろうきっと。
なんて、…キスにまんざらでもなかったくせに批判的なことを考えてみる。
都合の良い解釈とはいつだって楽なものだ。
まぁだから、この行為もきっと熱さのせいなのだ。

「んっ…ふ、ぁ…っ」
「……んっ…兄さん、舌出して」

言われるがままおずおずと舌を差し出せば、そのまま柔く噛まれて相手の口に引きずり込まれた。
ヌメる粘膜同士の接触は気持ちがいい。
垂れそうになる唾液を啜る音がまた熱を煽った。

「あっ…ゆきお……」

唇が離されて弄られていた舌も解放される。
それが少し物足りなく感じてしまい、すがる様に見てしまった。
慌てて顔を伏せたが、たぶん見られてしまったと思う。
何故なら伏せる一瞬で見えた雪男の顔がいやらしいくらいに良い笑顔で、更に言うとその瞳に先ほどよりも色の濃い情欲が浮かんでいたからだ。

「覚悟はいいかい?兄さん」

この悪魔め…なんて思ったのは別に今日が初めてじゃないが。
自分よりもよほど悪魔的な弟に甘い兄は、やはり今日もそれを許してしまうのだった。

「あ…そこやめ……っ」
「嘘はダメだよ兄さん。ここ、触られるの本当は好きだよね。それに…少し痛いくらいが兄さんは一番感じてるよ」

あれよあれよと言う間に慣れた調子で上半身を裸にされた燐は、制服のズボンの前も開けられて下着越しにゆるゆると性器を撫でられながら乳首を弄られるという、どっちかにしてくれよ頭がパーンッってなるだろうが!みたいな状況になっていた。

「ゆきお…もういいだろ…」
「何がだい?兄さん。もっとここ、強くして欲しいの?」

そう言うと雪男は右手で弄っていた俺の乳首を抓り始めた。
出るはずの無い何かでも出そうだ、ミルク的な。
いや、もう既に下からはトクトクと滲み出ていた。
ミルクの様に白くて、けど苦くて塩辛い。
なんて比喩みたいな表現面倒だからつまり言うと精液ってやつだ。
上からミルクなんて出ないけど、下からなら勝手に出て来そうな勢い。

もう限界だった。下着越しの緩い刺激じゃイけない。
腰はどんどん引けて来て、このままだと下着をぐしょぐしょにして帰らないと行けなくなる。
それを分かっていてわざと乳首を弄る雪男はやっぱり悪m…ゲヘナの住人がお似合いだと思う。

燐が泣きそうな声で下着が汚れると懇願すると「洗濯分けないといけないの面倒だしね」なんて言いながら思いの外あっさりとズボンと下着を下ろしてくれた。
妙に所帯地味た理由だ。

「実は僕も限界なんだよね。兄さんの口で僕の、出してくれないかな」

それは下着から出せってことなのか口に雪男の性器加えてイかせろってことなのか。
絶対後者は嫌だったので前者であろうと燐は決めつけることにした。

口で少しずつ、焦らすようにチャックを下ろして行く。
ベルトは口でははずしにくい為、あらかじめ雪男が自分ではずしてくれた。
それするなら下着も自分で下ろせよとは思ったが余計なことは言わないでおく。
そんなに高くない日本人の鼻だが押し付ける様にしながらチャックを下ろせば少しは煽られたのか雪男の手が燐の頭に掛かった。ざまぁみろ。案外余裕無いってのは本当かも知れないな、なんて思った。
ズボンを下げ、残るは下着だけだが燐としてはただ素直に下ろしたんじゃつまらない。
意趣返しの意味も込めて、意図的に亀頭と思われる辺りに歯を引っ掛けながらゆっくりゆっくり下になぞる。
一見動きだけ見れば下着を下ろそうとしているように見えるかも知れない。
しかしその歯が下着の縁に掛かっていない時点で下ろす気は皆無だ。
何度かその往復を繰り返してから雪男に視線を送ると、思った通りの顔をしていた。
どんな顔かって言うとなんだか説明し辛いんだけど、煽られまくりでお預けくらって、けど自分で言い出した事だから手を出す訳にはいかなくて、って感じの葛藤と欲に塗れた悦い顔だ。
なんだか俺も悪魔みたいな考え方になってきたかな。
みたいっていうか悪魔だけどさ。
悪魔らしさってのが雪男から移ってきちゃたかも知れない。
あーあ、これは雪男のせいだな。
そうでないなら熱さのせいだ。そうに違いない。

そんなこと考えてたらいつの間にか雪男がしゃがんでいて、燐の顎をとると、唇に噛み付いて来た。
仕方ないから燐もお返しとばかりに噛み付く様なキスをした。



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「それで…?君達は何故私の学園で不純異性交遊を…」
「なんでそれ知ってんだ?!メフィスト」
「理事長、不純異性交遊では無いので問題ありません。僕達同性ですから。あと兄さんもすぐに肯定する様なこと言わないでよ、もうバレてるんだろうけど」

昨日は結局あのまま盛り上がってしまい空き教室でそのまま致してしまった。
おかげで今日は背中が痛いわ腰が痛いわメフィストから呼び出しはくらうわで災難だった。
意外だったのは優等生で通っている雪男も呼び出しされたことだった。
燐の方は、何だろうなーもしかしたら旧男子寮取り壊しとかか?やっと新しい寮に移れんじゃね俺ら、やったな!!なんて根拠の無い妄想で勝手に舞い上がっていたが、雪男の方は心当りがあったらしく移動中もだんまりだった。

まぁ、もちろんだが燐の予想は普通に外れ、雪男の危惧していたことが当たった訳だが。

「異性だろうが同性だろうがどっちでもいいんですよ私は」
「え?メフィストって…どっちもいける性癖だったのか…」
「こらそこ、ジリジリと扉に向かって後退しない。勘違いも甚だしいですね。ちなみに扉は私が魔法で鍵掛けてるので開きませんよ」
「なんだって?!この悪魔!!」
「あなたも悪魔でしょうが…。っと話が脱線しましたね。つまり学校内でああいう行為をされると風紀が乱れるのです、男女関係なく。わかるでしょう?教室がイカ臭かったら勉強になんて集中できないですからね」

その様を想像した二人は同時に全く違う顔をした。
雪男は嫌そうな顔を、燐は活き活きとした顔を。
双子なのに全然違う反応だ。
それを見てメフィストは嗤った。実に、面白いと。

「…以後気をつけます」
「イカの匂いは俺好きだけどなぁ、美味そうじゃん。中に飯詰めてイカ飯に」
「兄さんは黙ってて」
「ええぇ……」
「今度やったら奥村先生と言えど通報しますからね。私の学園をイカ臭くしないでください」
「イカ臭くならないようにファブ●ーズすれば大丈夫ですね」
「大丈夫な訳ないでしょう!?あなたそんなに教室でヤりたいんですか!」
「メフィスト〜もっと言ってやってくれよ〜こいつどこでも盛ってきて困るんだよ」
「はぁ…まぁ自室でお二人が何をしょうと私は構いませんよ。それこそ尿道プレイからボンテージ一式揃えてSMプレイに興じていたって別に気にしませんよ」
「やけに具体的だなおい!」
「それはいつかチャレンジを」
「しなくていい!!てか絶対するなよ!!」
「ただし、私の運営する学園内でそういう行為は慎んでくださいよ。」
「わかりました理事長。ちゃんと消臭炭買っておきます」
「……」

こうして言うことを聞く気もない弟と、それに甘い兄に、メフィストの我慢は一体いつまで保つのか。
まぁそう遠くない内にこの双子は腕が後ろに回ることになろうだろう、いや、そうならないことは祈っているが。

「あー熱いな雪男」
「そうだね兄さん。熱いからちょっとムラムラしてきたよ」
「あー…そうだな。熱いからな」
「うん、熱いからね」

やっぱり逮捕される日は近いかも知れない。


全ては熱さのせいだ!!!









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ついったー診断のお題を初めて使わせてもらったんですが、なかなか私の執筆力ではこれは難しく…なんか変なことになってしまったあああああ
お題↓
奥村燐のエロい新刊は白黒1564ページ、内容は『勃起→友達に目撃される→乳首いじり→通報→逮捕』です。

すみません、1564ページは無理でした…。
逮捕って…逮捕アカンやろ?!とか、友達に目撃されたらすごく恥ずかしいじゃないか…どうしよう、もうメフィストでいいや、みたいな流れ。
あと雪男がメフィストのことなんて呼んでたか記憶からすっかり抜けてて、適当ですそこらへん。熱さのせいですね、全く←
兄さん…熱さでmuramuraするね!
って…うちの雪男くん本当に頭おかs…おっと誰か来たみたいです。
それでは!





はーい(ガチャン
はえ?!ひぃい!?ああああああくぁwせdrftgyふじこlp;@「

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