小さな願い
□小さな願い 4
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キィィ――…ン―…
「なっ……。」
そのまま振り下ろされれば僕は確実に殺されていたはずなのに、
その身を切り裂く痛みは無く、金属がぶつかり合う音が聞こえた。
視線をあげると長いきれいな黒髪が見えた。
いや、その艶やかな黒しか目に入らなかった。
「はぁ…?なんだぁお前?」
その声で現実に戻った気がした。
目の前にやや小柄な女の子がガスターク野郎の剣を受け止めていた。
「動けるなら…下がってて…。」
「…あぁ…分かった。」
その言葉に従うも全身が痛くて力が入らない。
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