灼眼の死神〜蒼い穹と友の裏切り〜

□転章、0と1で出来た螺旋の世界
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…やめてくれ!

どうしてこんなことをするんだ!

抵抗したいのに声が出ない…

「お前の名前は?」

『…あ…』

『お…ぬま…』

『…』

俺は、今、テレパシーの練習をしている。

「まだまだ、だな。だが、そこまで出来ればあと少しだな。」

…カリカリ…パラッ。

『その言葉は、もう聞き飽きた。これ以外にかける言葉はないのか?』

「って言ってもなぁ、しょうがないだろう。キリハ…。」

…カリカリ…パラッ。

『もっと努力すれば、上達する。だろう?』


「そう。“継続は力なり”だ。」

キリハは、すっと立ち上がり、自分の部屋に戻った。

『…あっ…おぬま…キ…リ…』

部屋に戻ってからも一人で練習を続けた。

キリハは舌がない。

そのため、滑舌が悪く、普通の会話が出来ない。



目が無くても不自由はしていないが、舌がないのは、さすがのキリハも困っている。

上手く出来ずに呻吟していると

師匠の使い魔の犬のような妖魔が部屋に入って来た…。

キリハがいることも気にせずどっかりと寝そべる。

笑っているような顔をしているが、師匠曰く生まれつきだとのことだった。

ぬぼっとして何を考えているのかわからない奴だとキリハはあまり、関わらないようにしていた。

(俺にも使い魔がいればなぁ…。)

『捜せばよいではないか。』



『さが…って、ど…やっ…て…?』

キリハは、試しにテレパシーで返してみることにした。

『簡単なことだ。使い魔にしたい妖魔と波長を併せ、交渉する。それだけだ。』

『…も…し、そ…つと波長…合わ…かったり、交渉…失敗…たら?』

『その時はそいつと縁がなかったと思って諦めるんだな。妖魔は色々いる。すぐについて来る奴もいれば、頑固で気難しくてなかなかついて来ない奴もいる。焦ることはない。』

「ちゃん坊、あっ、ここにいたのか。飯出来たから、降りて来いよ。」
 

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