灼眼の死神〜蒼い穹と友の裏切り〜
□磨りガラス越しの真実
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…なぁ、師匠。
あんたなら、どうしていた?
キリハは、自分しかいない屋敷を出て、外を歩いていた。
・
「…うぅっ…。」
丸い毛むくじゃらのボールから
が、キリハは、何事もなかったように通り過ぎ
「待ってよぅ…。」
『離せ!お前のような奴に構っているヒマはない。』
「むぅ〜っ!」
・
屋敷に戻ると丸いうさぎをお風呂場に持って洗い、
その後、簡単な食事を作り食べさせた。
(こいつ…手があったのか…。)
自分の作った物を感激しながら食べているそれの隣で、パソコンと携帯電話をチェックする。
内容は、『蒼沼キリハ失踪事件についての推測』というものだ。
「…ねぇ、私、瑠璃っていうんだ。見た目はこんなだけど、目が蒼いでしょう?だから、瑠璃なの。あなたは?」
『…蒼沼キリハだ。ちょっと出かけて来る。』
「また出かけるの?」
・
ひとりになった瑠璃は、放置されたパソコンを覗いてみる。
『蒼沼キリハ失踪事件』
今から数十年前の19××年、○月×日、私立中学校に在学していた少年、中学1年生、蒼沼キリハ(当時、13歳。)が行方不明となった。
後の捜査で、中学校の地下体育倉庫に彼のものと思われる夥しい血痕を発見。
更に化学的な捜査で、新たに、複数人の唾液、膣分泌液、精液を発見。』
(…唾液?膣分泌液?精液?…あの子、もしかして…)
『当時の化学捜査では、個人の特定は困難で、それらが犯人特定の有力な証拠にはならないとして、
時効が成立、捜査
も解散し、現在に至る。(20××年、×月現在。)』