〜グリーン・アップル・シード〜

□空飛ぶペンギン
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東京都、江東区、東雲。

「ねぇ、タイキ、いいでしょう?」

「ダメだ。俺たちは、遊びでこれに乗ってるわけじゃないんだ。」

区立第一神機飛行場。



「ケチ!ぷーっ!」

「何度頼んでもダメだよ?神子じゃないと乗れないんだから。」

「そういう、ゼンジロウは、どうなのよ?」

「俺は、高所恐怖症だからダメ。でも、整備は大人に混ざってやってるんだ。この気品漂う聖なる神機、スノーホワイトのな。」

「それ、自分で言う?」

「とは言え、冷戦状態が続いている昨今、いつ本格的になるかわからないからなぁ…そのために、戦力を温存しながら、向こうの出方を視てるわけ。」

「よくわかんない。」

「つまりは…って、アカリ君、人の話は最後まで聞こうね!」



格納庫に

「やっぱり、どれも、迫力あるなぁ…。

わたし、純粋に神機が好きで、神機の
は、豆知識から都市伝説的な知識まで知ってるんだ。

そのせいで、“神機オタク”なんて呼ばれちゃって…。

神機は、文字通り、神具で、半世紀前まで国を挙げてのお祭りに使われていた。

それが、いつの頃からか、戦争の道具に姿を変えてしまった。

「どれも、凄いけど、やっぱり、これが一番凄いなぁ…。」

格納庫の奥にある真新しい瑠璃色の神機。

これに名前はまだない。

「戦争が本格的になったらこれも空を飛んで戦うの…?」



「あっ、いけない!戻れ、戻れ!」



わたしの“哀しい”や“
ていう感情に反応して光り出してしまった。

「ずいぶん、なつかれているな。」

「あっ、キリハ君。」

彼は、

この神機のメインマスターで、



「俺の時とは態度が違う。」

「ふぅん…。わたしもいつか乗ってみたいな…。」

「乗ってみるか?」

「えっ、いいの?」

「コクピットに座るだけなら問題ない。俺はいつも座っているが整備のヤツは何も言わない。」
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