もしも、少子高齢化で若年・同性結婚が認められたら
□ただ…君を愛してる
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なぁ…君は、運命の出会いを信じる?
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卒業式の朝、いつも見てる名前占いのコーナーで
『名前の頭文字が“た”のあなた、今日、運命的な出会いをするでしょう。その出会いであなたの人生を大きく変えることになるでしょう。』
という結果だった。
「あら、確か、あんたの名前の頭文字、“た”だったわよねぇ?」
「占いなんて、胡散臭いよ。どうせ当たらないだろうし。」
「でもね、最近の占いは怖い位よく当たるのよ?」
・
卒業式が終わった後、俺は、ひとつ年下の幼なじみのアカリと近くの桜並木を歩いていた。
「タイキも今日で卒業かぁ。4月からわたしも最上級生。頑張るぞぉ!」
「置いてくぞ?アカリ。」
「もう、タイキったら、紅白饅頭は家に帰ってから食べなさいよ!」
「いいじゃん。はい。」
俺は、もうひとつの饅頭をアカリの口に放り込んだ。
「むぐっ!ハイキぃ!うわぁっ!」
そいつは咄嗟にアカリを
た。
「あいたたたぁ…。ごめんなさい!」
「…大丈夫だ。おい、お前、道を歩きながら物を食うな。」
アカリ
アカリの食べた饅頭を俺に手渡し
だけど、何か思い
ように俺たちのところに戻って来ると…
「…お前、第2ボタン、欲しいか?」
「へぇ?」
「やると言ったら、もらってくれるか?」
「…うっ、うん。」
「よし。わかった。」
―プチッ。
「やる。じゃあな。」
俺に制服の第2ボタンを渡して
「なんだったの?」
「さぁ?あれ、学生証が落ちてる。」
「本当だ。さっきの人のかな?」
「蒼沼キリハ…」
・
―〜♪
アカリの携帯電話の着信音が鳴った。
「はい、もしもし、あっ、お母さん。この間の話?うん。話だけなら聞くけど、決めるのはわたしたちだからね?」
「お見合いの場所?わかった。すぐ行く。」
―ピッ。
「見合いって、もしかして…、お試し婚?」
「うん。今年の4月からだって。」
「ふーん。」
「じゃあね。中学生になるからって、これ以上無茶しちゃダメだからね。」
「わかってるよ。じゃあな。」