桜の咲く頃に月は昇る

□〜その失われた何かを…〜
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あの日から1年…


ボクたちは、進み続けていた。

まっすぐ…前へ

立ち止まってはいけなかった。

彼は、それを許さなかったから。


『へい、パス!』

『くっ…あっ、タイキさん!』

『オッケー!いけぇ!』

―ピピ〜ッ!

『よっしゃー!』


―「タイキさん、お疲れ様。」

「お疲れ。ユウ、大活躍だったな。」

「タイキさんも。」

ボクは、タイキさんとバスケットボールチームを組んで、活躍していた。

「あっ、タギル!」

明石タギル君…。

ボクたちのバスケットボールチーム『クロスハート』のチームメイト。

何故かタイキさんによく懐いている。

大したことないクセに…。

かなり、疎ましい…。

だけど…タイキさんは…

「まぁ、タギルも頑張れば大丈夫だよ。」

この調子…。

ほんっとにもう!

タイキさん、お人好し、なおかつ鈍感!
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