TOV

□綺麗な宝石
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きらきら、きらきら、輝いてる。
宝石みたいだよね、なんて言葉は耳にたこが出来るぐらい聞いた。



今、俺はフレンも含めた仲間と共に今までに行った町に巡礼していた。
この話を持ちかけたのはカロルでみんなすぐに同意した。エステルは、中々みんなに会えないぶんずいぶんと嬉しそうだったな。
敢えて乗り物を使わず基本的には歩こうとなったためそれなりに長い旅になるのだと思う。
旅の途中で知り合った人と話をしたり出てきた魔物を討伐している間にあっという間に時間は過ぎてハルルに着いたときには日がくれていた。

「おっさん、もう疲れたー」
「もぅ、レイブン!もう少しでしょ!宿屋までは歩いてよ?」

文句をいい始めたおっさんをカロルがなだめる。
最年長者が最年少者になだめられてどうするんだよ、とは思ったが声には出さないでおいた。

「でも、流石にあたしも疲れたわ・・・」
「ですね」
「歩くのは久しぶりだったものね」
「バウルとフィエルティア号のありがたみがよく分かったのじゃ・・・」

とこちらはこちらで疲れているらしい。

「そんなに疲れるか?」

とフレンに話をふってみるが「え?僕は疲れてないよ」とこれまた話が噛み合わなくなる返答が返ってきた。

「いやそうじゃなく・・・まぁ、いっか」
「あ、ほら宿屋だよ!」

とカロルが指指す先には宿屋が見えた。
その後、宿屋で2つ部屋を取りもう各自で休むことにした。
部屋に入るなりベッドに寝転がったカロルは

「早いけど僕はもう寝るね、おやすみ」

とさっさと寝る体勢になってしまった。
ラピードは部屋の端で伏せて目を閉じている。

「じゃあ、おっさんも寝ようかしらねぇ。起きててもすることないし」
「おぅ、明日に備えて寝とけ」

とレイブンも寝転がって目を瞑った。
俺とフレンはベッドに座ったままいた。

「フレンは寝ないのか?」

笑いながら聞くと 「ユーリこそ」と笑いを含んだ声が返ってきた。

「俺か?寝るよ」
「そっか、おやすみ」
「おぅ」

片手だけあげたあと、俺は寝転がって目を瞑った。
フレンも寝るのか室内には静寂が訪れた。
それから一時間ぐらいしただろうか、ドアの開閉音で目が覚めた。

「誰だ?・・・フレン?」

辺りを見回してもフレンの姿もフレンの剣もない。

「外・・・か」

ラピードを見ると目を開けて起きていた。
「ラピード、ちょっとフレン探してくる。
お前は留守番しててくれ」

そうやって声をかけた後、剣を手にとって部屋をでた。



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