稲妻

□甘えん坊の君が好き
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「パスタ食べたい」
「どうしたの、急に?」

練習が休みなので二人で部屋でのんびりしていたら急にジャンルカがいった。

「別にどうもしてない」
「でも、珍しくない?ジャンがパスタ食べたいって言うなんてさ」

ジャンルカは、んーなどと曖昧な返事をしながら俺の横に座り、俺のほうに少しもたれかかった。

「んで、パスタ食べたいなら食べに行く?」
「ヤダ」
「でも食べたいんでしょ?」

うん、と小さく頷いた。眠いのかと思うほどジャンルカの返事は単調である。

「マルコが作ったの食べたい」
「そっかぁ・・・ってえ!?」
「何だよ」
「いや、本気?」
「マルコのが食べたい」

そう言うとジャンルカは、何にもせず俺にもたれたまま静かになった。
俺は少しだけ苦笑した。

「もしかしてジャン、甘えてる?」
「違うから」
「ジャンの嘘つき〜」
「だから、違う」

ジャンルカは俺から少し離れてそっぽを向いた。
ジャンルカの耳は真っ赤だった。
最近、練習続きでこうして二人で居れる時間はあまりないから無意識にしろジャンルカは俺に甘えてきたのだろう。ジャンルカはあぁ見えて寂しがりやだしね。

「マルコ」
「分かってるよー、味は?」「何でもいい」
「はいはい」

ジャンルカが甘えてきたときはめいっぱい甘やかしてあげないとね!!

『甘えん坊の君が好き』
(ジャン、とびっきり美味しいの作るからね!!)
(マルコが作ったやつならどんなのでも美味しいからな)
(ジャン!ありがとう!!)


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