稲妻
□風邪、引きました
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「本当、ジャンって季節の変わり目に弱いよね」
目の前で辛そうにベッドに横たわって咳をしているジャンルカを見た。
「そ・・・なこと、な゛い」
咳がひっきりなしに出るせいでのどを痛めたのかジャンルカの声はいつもの凛とした声と違ってがらがらの声だった。
「あー、もう!のど痛いんでしょ?喋っちゃダメ!」
「ごめ・・・」
ジャンルカはまた大きく咳をした。
薬を飲んで寝ようにも咳が邪魔をして寝ることができないらしく苦痛に眉間に皺をよせてる。
こんな弱々しいジャンルカは初めてで正直どうしたらいいのか分からない。
「マ・・ル・・・コ」
ジャンルカは俺の手にそっと触れた。
「此処にいろ・・・よ?」
「!!」
言葉を紡ぐのもやっとなのに喉が痛くて仕方ないはずなのに。
それでも、ジャンルカは俺を求めた。
ただ、それだけのことなのに嬉しかった。
「大丈夫だよ、俺はジャンが治るまで此処に居るから。ジャンは寂しがりやだからね」
俺が笑うとジャンルカも少し笑った。
また、咳をだし始めたジャンルカの背中を軽く子供をあやすように叩くと咳はさっきより少しだけマシになった気がした。
今の俺に出きること
それは・・・
『風邪、ひきました(マルジャンの場合)』
(ジャンルカの側にいてあげること)
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