稲妻

□風邪、引きました
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「ねぇ、バカなの?」

そう言った風介の目はずっと変わらず呆れの色を見せていた。

「ごめんって言ってんだろ・・・」

この会話をさっきから何回しただろう。

「まぁ、損してるのは晴矢だからいいんだけどね」
「分かってるし、そんなことぐらい」

俺は昨日、雨が降るといっていたにも関わらず傘を忘れて出掛けてしまいずぶ濡れになって風邪を引いた。
それで今、風介に看病してもらってる。

「風邪だからよかったものの肺炎とかだったらどうするの」
「まぁ、それはそのときだよ」
「まったく・・・」

少し寝たら体調がよくなったためベッドに座っていたがこほこほと咳をしたら風介が少し怪訝な顔をして俺を横にさせた。

「ほら、もう少し寝たら?早くよくなりたいでしょ」
「そうしよっかな・・・」
「うん、おやすみ」

そういうと風介は俺の頭を優しく撫でてくれた。
そして、俺の部屋から出ていこうと立った。

「あ、風介・・・」

手を伸ばして服の袖を掴んだ。

「うん?」
「あのさ・・・寝るまでさ・・・」

風介は微笑するともう一度座った。

「私はどこにも行かないから安心しなよ」
「ありがとう」

風介の俺の頭を撫でる手の温かさを感じながら俺は目を閉じた。

『風邪、ひきました(風晴の場合)』
(本当、君はバカなんだから)



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