稲妻

□僕を好きで居て
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「狩屋くん」
「何?」
「大好きです」

頬を赤らめて笑顔で俺に向かって言う。
そんな笑顔から目を背けた。

「・・・バーカ」
「バカでもいいよ」

ごめん、素直に好きって言えなくて。
繋いだ手が握られる。
だけど、ごめん。俺は握り返せないや。
輝くんには言えないけど好きだよ、大好き。だから・・・そんな悲しそうな顔しないで。
俺は怖いだけだから。
自分が人を信じて幸せになることが怖いんだ。
伝えたい気持ちも言葉に出来ないし、握られた手も握り返せない。
ごめん。
いつか、君を信じれるようになるから。
そのときは、好きだって言葉にするから。
だから、それまで



『僕を好きで居て』
(ごめん、ごめんね)
(大好きだから)



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