TOX

□今だからいえる
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「全部終わった今だから言えることなのかもしれないけどね」
「急にどうした、ジュード」

3年ぶりに会ったミラはますます綺麗になっていた。身長は僕のほうが高くなった。外見こそは変わったものの中身は何ひとつ変わってなかった。喋り方も癖もなにひとつ。
それが妙に嬉しくて仕方がなかった。
最初こそ久しぶりに会ったせいで気まずかったもののすぐに前みたいに喋った。
そして、今日ミラに会って改めて思ったんだ。3年前に胸に抱いていた思い。ミラのことが好きって、大切にしたいって気持ち。
あの時はそんな気持ちを伝えるひまなんて全くなかったし、僕自身そんなことを伝える勇気もなかった。でも、今になって僕も成長して18才になって考え方も変わったしいろいろと変わった。
だから、今日ミラに自分の気持ちを言おうって思った。

「ねぇ、ミラ」
「何だ?」
「僕ね、ミラと会わなくなって気付いたことがたくさんあるんだ」
「そうか」
「うん、ミラと会わなくなって胸に穴が空いたみたいな気持ちになったんだ」
「それはどういうことだ・・・・?」
「うーん・・・寂しかったっていったほうが分かるかな。いつも一緒で側にいたミラが側にいなくなって寂しくなっちゃったんだよ」

僕が照れくさそうに笑うとミラも同じように笑った。

「ミラ・・・・三年前は伝えれなかったけど僕、ミラのことが好きなんだ。会ってなかった間も好きだった。ずっとずっと」
「ジュード・・・」

ミラは僕の名前を呟くと抱きついてきた。

「ミラ!?」
「ジュード・・・私も好きだ。今、ジュードが言ってくれたから気付けたよ。私も3年間寂しがっていたんだ、ジュードが居ないことに」

ミラも同じだった。僕のことが好きだった。それだけで僕はもぅ他に何もいらないと思えた。

「ねぇ、ミラ」

背中に手を回して抱きしめる。

「ミラが嫌じゃないならこれからはいつでも会えるように一緒に住まない?」
「いい・・・のか?」
「もちろん。むしろ、お願いします」
「まったく・・・こちらこそお願いするよ」

そういってミラは穏やかに微笑んだ。その顔は凄く綺麗で魅力的だった。



『今だからいえる』
(ミラとこれからは一緒に居れるなんて夢みたいだよ)
(私もだよ、ジュード)



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