TOX
□君が好きならそれでもいいよ
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「エリー、あれ!!」
「ティポ?・・・わぁ、猫ちゃんです」
街道を歩いていると急にティポが大きな声を出した。その先には小さな猫がダンボールに入っていた。
「捨て猫かなぁ?」
「ちょっと、レイア。下手に触ると噛まれるよ!」
「大丈夫だって!!ったぁ!!」
「ほら・・・いわんこっちゃない!」
レイアは僕が注意したのにも関わらず猫に噛まれていた。
「ふむ・・・猫か」
「ミラ・・・危ないですっ」
「あらあら・・・ミラさんは大丈夫なようですね」
「えーっ!!何でー!?」
ミラは触りに行ったが大丈夫だったようでホッとした。レイアは自分が噛まれたことに怒っているようだけど・・・。
猫はしゃがんでいるミラの膝の上に乗ってミラになでられている。
「可愛いな・・・」
「ミラ君いいなー」
「ティポは危ないからダメです」
ティポも触りたいというか近くで見たがっているがエリーゼがティポを握り締めているためティポは動けずにいた。
「それにしても・・・どうしてミラさんは大丈夫なんでしょうかね?」
「あれじゃねーの、ミラが猫っぽい」
「猫っぽい?私がか?」
「あー、私なんか分かるかも!何か気高いっていうかクールなところとか結構自由なとこ!」
「ちょっと俺とは違う気がするがまーそんなとこ」
確かにミラは動物で例えるなら猫だと僕も思う。ミラは自分が猫っぽいといわれて少し考えこんでる。
「猫っぽい・・・か。ジュード、君はどう思う?」
「え、僕!?あー・・・うん。猫っぽいと思う・・・かな?」
「なら、猫は好きか?」
「猫?」
急にミラが話を振ってくるから凄くビックリした。
猫・・・猫かぁ・・・。あんまり考えたことなかったけどどっちかっていうと好きなほうかな・・・。
「うん、好きだよ」
「そうか。ジュードが好きなら猫というのも悪くないかもしれんな」
「え・・・・?」
僕は一瞬ミラが何を言ってるのか分からなかった。
「ほー・・・ミラ、なかなかやるねぇ」
「ミラさんは積極的ですね」
「「ミラ(君)、すっごーい!」」
「ミラ・・・」
エリーゼ以外はみんな凄く楽しんでいて、本人は何の話かまったく分かっていないようだった。
僕がアルヴィンに茶化されて内容を理解し顔を真っ赤にするのはまた別の話。
『君が好きならそれでもいいよ』
(ミラ・・・あれは反則だよ・・・)
(何がだ?)
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