Main

□いつか絶対
2ページ/2ページ

明日でもいいかと、自分の部屋に戻ろうとした律の背後でエレベーターが開いた。

「小野寺?」

聞き慣れた声に振り向くと高野の姿があった。
高野の視線が律の持っているタッパーに向けられている。

「あ・・・お疲れ様です。高野さん夕飯まだですよね?カレーを作ってみたんですけど、この前の御礼ということでおすそ分けを・・・」
「・・・・辛口だろうな?」
「そんなの知りませんよ!俺はあまり辛いのは好きじゃないんで中辛です!嫌なら別にいいですよ!」

人が下手に出てれば好き勝手なことばかり言いやがって!と律はもういいと、ドアのノブに手をかけたと同時に、高野に背中から抱きしめられた。

「お前の手料理、うれしい。」

耳元に熱い息がかかりながら囁かれ、律はブルッと身体を震わせた。
と同時に身体がどんどんと熱くなっていく。鏡を見ずとも真っ赤になっているのがわかった。

「・・・カレーいるんですか?」
「もちろん。お前からもらえるものならな・・・」

−まったく、この人はどうしていつも恥ずかしいセリフばっかり言うんだ??

「でも、その前に・・・お前をいただいてもいいか?」
「はぁ!?何言ってるんですか!」
「俺に手料理とか可愛いことしてくれるお前が悪い。我慢できなくなった。」
「ちょっ・・・!待ってください高野さん!」
「待たない。」

律の抵抗もむなしく、高野にずるずると引っ張られ部屋へと強引に入れられてしまう。
そうしてその日一晩、律は高野の腕から解放されることはなかった。


翌朝、ベッドの上での二人の会話−

「もう高野さんにおすそ分けとか今後一切しませんから!」
「どうせ慣れない料理で分量もわからず作りすぎたんだろう?俺と一緒に暮らせばいつでも教えてやるのに。」
「また訳のわからないこと言わないでください/////」
「何真っ赤になって照れてんだよ。俺はいつでもいいからな。」

−あー言えばこー言う。なんでこんなに余裕なんだよ!

いつか絶対負かしてやる!心の中で固く決意する律だった・・・
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ