繋がる思い
□第6話
2ページ/3ページ
今日は図書委員の当番の日
放課後 私は財前君と一緒にカウンターに座っている
部活があるから 図書室の利用者は余りいない
「財前君、今日もあまり人が来ないから 部活に行っていいよ。 あとは私がしとくから」
テニス部は全国大会で優勝を目指しているんだから 少しでも練習時間がある方がいいに決まってる
「いいです 閉館時間まであと少しですし…」
無愛想に見えて 本当は優しい財前君
不器用な優しさがとても可愛い
「それに… 先輩と一緒にいると落ち着くんで…」
「ありがとう…」
そろそろ 閉館時間
利用者がいなくなった図書室は夕日が入って部屋全体が赤く染まっている
「じゃあ 財前君、そろそろ鍵閉めるね。」
あとは 鍵を閉めて職員室に戻せば終わり
「じゃあ 鍵 あとお願いします、 先輩… 今日も部長と一緒に帰るんですか?」
どうしたんだろう?
財前君が顔を曇らせた
「うん その予定だけど… どうかしたの?
前から少し様子が変だよ?」
何か 隠してるのかな…
「いえ 別に…
じゃ 俺 そろそろ行きます。」
本当にどうしたんだろう…
「頑張ってね
あと、無理はしたら駄目だからね。」
財前君は少し会釈をして 図書室を出て行った
.