神田センパイとわたし

□神田センパイとわたし
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「・・・・・・」


ごくり、薬を飲んだあと私とセンパイはテーブルを挟んで向かい合わせに座っていた。

母は洗濯物を干しにベランダへと向かった。


「・・・・学校はいいんですか、センパイ。」


「休むと伝えた。」


「・・・理由も無いのに休めるわけが無いでしょう。」


「風邪だ。」


「ああそうですか、なら家に帰っておとなしく休んでいたほうがいいんじゃありません?私もきついので早くセンパイには帰っていただいて休みたいんですが。」


「(そう来たか。)・・・・・きついが、俺は気になることがあると休むことができない性質なんだ。」


「・・・私の眼鏡のことですか。」


「あぁ。」


「じゃあひとつだけ答えましょう。
・・・私のこの眼鏡は伊達眼鏡です。」


「・・・・それは答えになってねぇだろ。」


「あれ、そうですか。
今私は『私の眼鏡のことですか。』と聞きました。
そしてセンパイは『あぁ。』とうなずきましたよね。
ということはセンパイは私の眼鏡がどういうものなのか知りたかったんじゃないですか。」


「んなわけねぇだろ。早く休みたいんだったら答えろ。」


「答えるのはひとつだけといいましたので。
センパイ、どうぞかえって休んでください。
センパイの質問には答えましたからもう気になっていることも無いでしょう?」


「(・・・っのアマ・・・!!)・・・・」


「センパイ、私はあなたに睨まれても怖くもないし痛くもかゆくもなりませんよ。
ささ、はやく帰らないと病状が悪化しますからどうぞ帰ってください。」


私はベランダの母に、センパイが帰るということを伝えた。


「あら、もう帰っちゃうの?せっかく来てくれたのにごめんなさいねぇ何もかまってやれなくて。」


センパイは母がこんなことを言ってるから帰らないということを言えるはずも無く。


「いえ。お邪魔しました。」


そういって私を恨めしそうに見ながら帰っていった。

静かにドアが閉まる。


「・・・・ふう。」


私はすぐさま自室へと戻った。

センパイの前では風邪でもまだまだ元気な自分を見せようとがんばりすぎた。

気を抜くとすぐに体のきつさやだるさが強くなる。

私はベッドにまたもや倒れこみ。

今度は深く深く眠りに落ちた―――
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