蝶よ華よ
□第二十六章 私の役目
1ページ/4ページ
十一月一日、朝。
「ねえ、聞いた?一年生がひとりと三年生ひとり、刺されたって」
「知ってる!重傷らしいよ」
「なにそれ、こわ〜〜」
「それと、八組の神楽さんが失踪したとか」
「行方不明じゃなかったっけ?」
教室内の至るところで、昨日の騒動は広まっていた。
「…………」
「――っちくしょう!!」
バン!!と大きな音を立てて光晴は壁を殴りつける。
「光晴さ、」
「なにが……なにが、剛の士都麻や……!!」
(自分が情けなくて、殺したくなる)