蝶よ華よ
□第五・五章 剛の花嫁
1ページ/4ページ
プルルル……プルルル……ピッ
「<もしもし?どうした?陸>」
「あ、郡司?透もいる?……あのさー、今日私、二人の部屋に泊まってもいいかな?」
・
・
・
「<はぁ!?俺らの部屋に泊まる!?>」
「<男子寮だぞ馬鹿!無理に決まってんだろ!……てゆーか、光晴は?>」
たっぷりと間をあけての全否定。だがそれは当然のことである。郡司と透に“その気”がなかったとしても、男子寮には当然男しかいない。
三翼のひとり、光晴の花嫁である陸の刻印の呪縛もかなりのものなのだから、もし来たりしたら、変な輩が集まるのは必至で、襲われに行くようなものだ。
「んー……。お取り込み中?」
「<……はぁ……。とりあえず、今どこ?そっち行くから>」
途中で電話を替わった透が溜息をつくのが聞こえたが、それは陸に付き合ってくれるということなのでスルーした。
「ん。場所はね……」
「<わかった。すぐ行くから、そこ動くなよ>」
「うん」