この世界の果てで

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ピンポーン


『ごめん蘭丸!おまたせ』

比奈はいつものように、霧野が朝迎えにきたので玄関を開けた。

『やっぱ拓人は居ないか…
蘭丸は、部活…どうするの?』

霧「とりあえず、行くしかないだろ…」

『うん』


比奈はどこかホッとした面持ちでいた。

『そういえばさ、もうすぐだね。ホーリーロードだね』


比奈は笑顔で去年の今ぐらいの時の話しをしはじめた。

『あの決勝戦のみんなイキイキしてたと思わない?』

霧「そりゃ、フィフスセクターからの指示がない久々の本気の試合だったからな。
準優勝に終わったけど、今までで一番良い試合だった」


霧野もその時の事を思い出しているのか、薄く笑っているように見えた。

『あの時のみんなかっこよかったなぁ。
拓人の神のタクトもフォルテシモも、また見てみたいな…』

比奈はさっきの笑顔から一辺、若干悲しい顔になってしまった。


霧「また見れるさ。
お前のそんな悲しい顔は、見たくないんだよ…」

『なんか言った?』

比奈はキョトンとした顔で霧野を見た。


霧「いや、なんでもない」

霧野も少し顔を赤らめながら言った。


『あ!もう部活の時間だ!急いで行かないと。
蘭丸も早く』


比奈は霧野の手を引いて、足早に部室へ向かった。
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