short
□歌とピアノと僕達
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〜♪
『拓人ー!
またピアノ弾いてるし』
俺が音楽室でピアノを弾いていると、麗奈がやってきた。
神「まぁな。
麗奈も歌いにきたんだろ?」
麗奈とは、1年の時にたまたま俺がピアノを弾こうと音楽室によった時に、麗奈が音楽室で歌っているのを目撃してから知り合った。
その後も、度々音楽室で会っては、俺のピアノと麗奈の歌とで合わせたりしている。
『まぁそんなとこ。
拓人のピアノ歌いやすいんだもん』
神「そうか?
麗奈は将来歌手だろ?
俺のピアノじゃまだまだだろ」
そう、麗奈の将来の夢は歌手になる事で、歌もそこらの歌手より全然上手いから、将来有望なんだ。
『そんなことないよ。
そうだ!今度歌手のオーディション受ける事になったの!
それに受かればはれて事務所入り』
神「凄いじゃないか!
夢への第一歩ってとこか」
『そうなんだけどさ…
その事務所、県外にあって、ココからじゃ通えないの。
だからもし受かったら私、転校するんだ』
神「そうなのか…」
麗奈の実力なら合格はさほど難しくないだろう。
麗奈が受かれば夢への扉が開かれる。
なのに、このモヤモヤする感じは何なんだ。
それから、俺達は少し歌ってからそれぞれ帰宅した。