白哉長編
□机
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『はぁ…』
ここは六番隊舎の屋根の上。
ここで、盛大に溜息をつく副隊長。
『仕事はしたくねぇし、だとしても暇だし…』
彼は阿散井恋次。
赤い髪と刺青がトレードマーク。
『ふあぁ…ぁ。…眠みィ。…あ、そういえば隊首室で何かやらないといけないって松本先輩が言ってたような…何だっけなァ…』
途切れ途切れにつぶやきながら欠伸をする。
数十分後。それは突然だった。
『おっといけねぇ!もうこんな時間かよ!』
と無駄にデカい声が六番隊舎の天井から聞こえたそうな。
数日後、恋次はそれを自隊の三席から聞いた。
『松本先輩に言われた書類…どこ置いたっけ』
隊首室。
今日、ここの本当の主は休暇をとっていて不在だ。
そしてしばらくすると、自分の散らかったデスクから、十番隊の副隊長が(珍しく)直々に持ってきた書類を器用に見つけ出す。
『…これはまぁ俺のデスクにあるもんだし別に構わねーんだが…』
恋次は、訝しげに書類の一点を見つめる。
『朽木隊長のデスクの中じゃねえかよ…勝手にあされ〜ってことか?』
恋次は本日何回目か数えられないほどの盛大な溜息をついた。
『でも出来る限り減らさないと逆に怒られるしなぁ。』
そういって、恋次とは対照的に片付いている朽木隊長のデスクを見つめる。
『おい阿散井〜ぃ呑みに行こうぜ〜』
突然、外から呑気な声が聞こえてきた。
『檜佐木先輩…今忙しいんスけど。帰ってくださいよ。』
檜佐木先輩と呼ばれた涼しい格好の男は、無理やり肩を組まされている気弱そうな三番隊副隊長を引き摺って、恋次の近くまで近寄った。
『へぇー…松本さんの書類じゃないか』
檜佐木は、物欲しそうな目で書類を見つめる。
『俺の仕事が終わったらあげますから。
それより俺は、朽木隊長のデスクをあさる使命が…』
恋次がそう言うと、檜佐木の目がさらに、好奇でいっぱいになった。
『ほーう、何かいいもの入ってねーかなー』
『余計なコト考えないでくださいよ。なんか盗ったら怒られるの俺なんですから。』