立海
□Change my life(ほのぼの)
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小さな事で
人生って、ガラリと変わるモノ。
好きな人が出来た。
私の、遅い、遅い初恋。
いつも私の頭の中にあったのは
大好きな本の事、学校の事、友達の事ばっかりで。
“恋”なんて、考えた事もなかった。
だけどあの日
私は生れてはじめての、恋をした―――――・・・
始まりは、桜の咲く季節だった。
クラス替えがあって、周りは見知らぬ人ばっかり。
私の学校は大きいから、同じ学年でも名前を知らない人たちがたくさんいる。
だけど幸運なことに友達も出来て
私はそれなりの生活を送っていた。
新学期が始まって1週間。
少し早いような気もするけど、席替えがあった。
偶然“親友”になった友達*名前と席が前後になって、大喜びした。
そんな中、私の隣の席になった彼。
ある日の古典の時間、
「この白文に返り点を打ってくれ。じゃぁ・・・名字」
私は、古典が大の苦手。
指名されて席を立ったはいいが、
当然答えなんて分かりっこなくて、どうしようかと戸惑っていた。
その時・・・
目の前に、スッと紙の切れ端が置かれた。
それは、まぎれもなく今の問いの答えで。
慌ててその紙に書いてある答えを読むと、無事正解。
先生に怒られずにすんだ。
その紙を置いてくれたのが――――・・・
・・・――――彼、丸井 ブン太。
話した事なんて一度もなかった。
その授業の後も、「ありがとう」って言ったら、「別に」って返事が返ってきて、
それだけ。
だけどこの日
私は、丸井くんを好きになったんだ・・・