立海
□初もうで(甘)
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神社は私の家から徒歩10分で、かなり近い。
「うわぁ、すごい人・・・」
「そうっスね」
予想はしてたけど、ここまでの人だかりができてるとは思わなかった・・・
家族、カップル、友達・・・色んな人たちが新年を祝ってる。
「先輩、俺たちもお祈りしません?」
「だねっ、しよう!」
赤也と私は人ごみをかきわけながら、前に進む。
その時だった。
「きゃっ・・・」
「・・・!!せんぱ・・・」
人の波のせいで、赤也とはぐれてしまった。
最初は隣に見えていたはずの赤也が、今はいない。
「赤也・・・赤也!」
呼んでも返事がない。
どうしよう、赤也・・・どこにいるの?
赤也たった1人がいないだけで、私はこんなにも寂しくて、切ない気持ちになる。
「名前先輩っ!!」
背後で大きな声がした。
間違いない、赤也だ。
だって私が、赤也の声を聞き間違うはずなんてない。
「赤也・・・」
「名前先輩っ!」
赤也の声はどんどん大きくなってきて・・・
――――いた。
見慣れた赤也の姿を見つけて・・・
私は思わず走り寄って、赤也に飛びついた。