短編 -other-
□あの夏(白石/ほのぼの)
1ページ/3ページ
「名前・・・急だけど、大阪への転勤が決まったわ」
「えっ・・・」
「来週よ。名前は、“四天宝寺中”って所に通うことになるからね。
今週中に、友達にはあいさつしておいてね」
「うそ・・・」
よく晴れた、夏。
母の口から飛び出した言葉、“転校”―――――・・・
それを聞いた時、ものすごくショックだった。
15年間暮らしてきた町。
それなりに仲のいい友達もいた。
なにより、ここが好きだった。
転勤になったお父さんを恨んだ。
けど・・・なってしまったものは仕方がない。もう変えることはできない。
私は別れのあいさつもそぞろに、東京から、四天宝寺中学校に転校した。
.