短編 -other-
□本気(白石/ほのぼの/「あの夏」の続き)
1ページ/3ページ
「名前〜〜」
朝、私が学校へ行くと、美里が真っ先に走り寄って来た。
あの夏・・・
私は東京から、この大阪へと引っ越してきた。
最初はこの空気に馴染めずに
美里と喧嘩したり、帰りたい・・・なんて思うこともあった。
だけど考え直して、美里とも仲直りして。
その後は、今までよりも、さらに仲良くなった私たち。
今では“親友”と呼べるような仲になっていた。
「おはよう、美里」
「おはよ。なぁ名前、明日、空いとる?」
「明日って、日曜日だよね?うん、特に用はないけど?」
「よっしゃー!なら、一緒にテニス部の試合、見に行かへん?」
「え、テニス部の試合!?」
「せや!明日、うちら四天宝寺のテニス部、銀華中って所と練習試合するらしいで!」
「へー、そうなんだ〜」
「うちとしては、応援したいんや!銀華中て名前よく知らへんけど、どーやら関東の方らしいで?」
「そっ、そんなに遠くからくるの!?」
「今回の練習試合、いつもより大規模っちゅー話や!どう、見に行かへん?」
「うーん・・・じゃぁ、行ってみよう・・・かな?」
「おしっ!んじゃあな・・・」
私が“行く”というと、美里は喜んで、集合場所やら持ち物などの説明を始めた。
テニスは好きだ。
前に通ってた学校でも、友達と一緒にテニス部の練習試合、見に行ってたしね。
それに、美里と一緒だから、楽しいかな〜?なんて。
約束をした後
私も美里同様明日が待ち遠しかった。
.