妄想小説 短編

□夏祭り
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「ちょっと早かったかな」
蔵馬は時計を見る。
約束は6時。
時計の針は5時半を指している。

「早すぎだな」

微笑がこぼれる。



君に夏祭りに行こうかと誘った時、満面の笑みを見せてくれたね。

まだ友達の関係だけど、今日で友達は終わりにしようと思うよ。


君に気持ちを告げたら、どんな顔をするかな。

驚くだろうな。


自分がこんなに弾んだ気持ちになるとは思わなかった。


信号の向こうで君が手を振るのが見えた。

君も早く来すぎだよ。


君が来たら、聞いてみよう。


「河嶋さん、手をつないでいい?」

そして


「香って呼んでいいかな?」と。




END
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