妄想小説 短編

□一方通行
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「香、こいつは幼なじみの浦飯幽助。
こちらは、幽助の友達、蔵馬さん。」


街中で螢子ちゃんと、その友達、河嶋香さんにばったり会った。

「おい、螢子!蔵馬じゃ…!!」
幽助が慌てて紹介を遮る。

螢子ちゃんが小さくあっと言い、こっちを見る。

「あだ名ですよ。本名は南野秀一です。はじめまして」

こういうのはさらっと流すのが一番なのだ。

しかし彼女は目を丸くした。

「え?秀一って…、男の方だったんですね」

そっちか…。
久し振りに間違われたな。
間違われたことより、横目に入る、笑いを堪えている二人の姿が苛つく。

「よく間違われるんです。」
にっこり笑って余裕を見せる。

「あ、すみませんっ!綺麗な方だったから…。浦飯君の彼女さんかと…、すみません!」

フォロー入れられるほうが辛いな。
笑ってる顔がムカつくから話を二人に振ってやる。

「いやいや、幽助の彼女は螢子ちゃんだから。ねっ?」

螢子ちゃんが顔を真っ赤にして否定する。
「なっ、何言ってんの!?やだあ、蔵馬さん!そんなんじゃないわよ!」

隣の幽助は慌てることなく、しれっとしている。
「え?お前俺の彼女じゃねえの?プロポーズしたじゃん。」


河嶋さんはやり取りをニコニコ見ている。

「やっぱりね〜。螢子はモテるのに全部断ってるから変だとは思ってたのよ〜。」

螢子ちゃんが顔を更に赤くして、色々言い訳を始めた。
幽助は満足気な表情を浮かべている。


「今からよ、蔵馬と飯食いに行くんだよ。
お前らも一緒に食いに行かねーか?」

幽助のこの言葉から、俺達は何となく4人で会うようになっていた。
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