妄想小説 長編 2

□最初の指令!!
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二人に無理矢理連れてこられた場所は、明らかに普通の街とは違った。

なんつーかどよーんとしてるというか。
空気が悪いっつーか。


「…気持ち悪」

「あれが迷宮城か?」

「だな。さて!行くか!」


幽助くんと桑原くんはやる気満々で歩き出した。

「ちょっとちょっと!
とりあえず自己紹介くらいしてくんない?」


私の言葉に二人は顔を見合わせた。

「んな暇ねーよ!時間ないっつってんだろ」


「歩きながらでいいから教えなさいよ!
君が幽助くんで、君が桑原くんだっけ?」


「おー!桑原和真、不良だ!」
「浦飯幽助、超不良!
これでいいか?」


二人の不良は歩きながら言った。

「いや…そーいうことじゃ…。
ま、いーや。
でさ、二人はなんでこんなことしてんの?
間違われたの?」


二人の後ろを歩きながら訊ねると、幽助くんが足を止めた。


「そういやそうだ。
俺だって最初は死ぬ予定じゃなかったんだよ。
ったく!霊界っつーのはマジ適当だな!」

「それ言ったら俺だって流れで駆り出されてんだぜ?
適当過ぎだろ」

「オメーは自分から首突っ込んだんじゃねーか」


二人は私を無視して話始めた。
よくわかんないけど、二人とも霊界に振り回されてるってことね…。


「…死んだら優先的に極楽に連れてってもらわなきゃ割に合わないわ」


そう呟くと、二人も全くだと言って大きく頷いた。



その時。
辺りに大勢の気配を感じ、三人で目配せをする。


「…なになに〜…?」
「あ!あれ!」



桑原くんの指の先に、マントを被った小さい人みたいな何かが沢山集まってきた。


「人の匂いだ」
「うまそうな匂いだ」
「うへへへへ」


口々に言いながらじわじわと近づいてくる。


やだやだやだー!


「だからやだって言ったじゃなーい!!」
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