妄想小説 長編 2

□暗黒武術会開幕!!
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二ヶ月。
思えばよく生きてるなあと。

「いったぁ!!」

「うっせえなぁ、ちったぁ我慢しろ」

幽助に湿布を貼ってもらうが、こいつは乱暴でいちいち痛い。

「ほら、背中!!」

「もうちょっと優しくしてよね」

文句を言いながらTシャツを捲る。

はずかしい?
んな感情は2日で消えた。
幽助も同じだった。

二ヶ月、24時間ずっと一緒にいたんだもん。
すっかり兄弟みたいな感覚だ。
兄弟いないからわかんないけどさ。


「今度俺な」

幽助がそう言って服を脱いだ。


「なんか引き締まってきたね。
前より一回りがっちりしてんのに、しゅっとしてる。
いいからだしてまんなーうへへ」

「うへへって…お前なー」


笑いながら幽助の背中に湿布を貼る。


「何やってんだい、そろそろ時間だ」


ばーちゃんが呆れたような顔をして、部屋に入ってきた。

時計を見ると6時。
集合時間は8時。


「走ってけば一時間で着くでしょ?」

ちょっとシャワーくらい浴びたいんですけど。


そんな私にばーちゃんは、にやーっと笑った。

なんすか、その笑顔。
こんな顔の時は大体、いやあな修行を始める時だ。


「これをつけて行ってもらうからな」


そう言ってばーちゃんが出したもの。

26時間、寝ずに修行してたんですが。

そんなの関係ないという顔で、さっさとしなとだけ言って襖を閉めた。



幽助と顔を見合わせ、深いため息をついてから、ばーちゃんが置いていった防弾チョッキみたいな服を身につけた。


「何キロあるんだよ…これっ…」

「間違いなく…俺ら二人ぶんより…重てえぞ〜…!!」


着けるだけで体力が奪われる。



身体を引きずりながら玄関へ向かうと、覆面を付けたばーちゃんがでっかいため息をついた。


「ばかどもが」

そう言って、それぞれに拳骨をおとした。


「ってえっ!」
「何すんのー…?」


「馬鹿力だけで修行になるか!!
霊力を使え!!スカタン!!」


あ。



「そっかー」

「早く言ってくれよ」


二人揃ってへらへら笑いながら霊気を放出する。


「う」

「ば、ばーちゃん…もう、エネルギー切れなんだけど…」


思ってたより霊気が足りない。
こんなんじゃあっという間にぶっ倒れちゃうよ。


「ぶっ倒れないようにコントロールしていきな。それも修行のうち!
じゃさっさと着いてきなー」


そう言って、ばーちゃん…もといクソババアは走って行ってしまった。


「くっそぉ…」
「う〜…幽助ぇ…置いてかないでね…」



痛む身体を引きずりながら、クソババアの後を追いかけた。
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