妄想小説 長編 2

□蚊帳の外
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すっかり明るくなった空のもと、飛影はとっても気持ち良さげに眠っていた。
しかし、その隙に逃げようとしてバレたのか、イチガキの手下は最後に見た姿よりボロボロになっていた。

「飛影、お待たせ。起きて」

飛影の肩を叩くと、すっごく不機嫌だった。
寝起き悪いのか。

「いつまで待たせる気だ。とっくに試合は始まってる」

試合?

「あ!そうだよ!試合!」

「幽助達で大丈夫ですよ。
じゃ、我々も行きますか」


蔵馬はそう言って、ロボットの残骸に近づいた。
なんかこそこそとやってるな、と思ったら。

ロボットが音を立てて動き出した。


「うおっ!なになに、動かせるの?」

「言っただろ?
機械は説得が楽でいいって」


はー…。
何でもできるのね。


ロボットの背中に乗って、試合会場に向かった。

「ガンダムもこんな感じかなあ」

「ガンダム?なんだそれは」

「ガンダム知らないの?」

「人間界のアニメですよ」

そんな世間話を暢気にしながら、試合会場まで向かった。


「円、梁、魁…」

心配そうに呟くお師匠さんを見て、なんとなくパパとママを思い出した。

あれから会ってない。

…心配してるだろうな。



「…大丈夫。自慢の弟子なんでしょ?
大丈夫だよ」


パパとママに言いたい言葉を、お師匠さんに言ってみた。
気休めなのはわかってる。


でも。


きっと、大丈夫。
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