妄想小説 長編(完結)

□三人組の盗賊・飛影
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時は少し遡って、剛鬼との戦いの次の日。


「それにしてもぼたんの心霊治療ってのはすごいね」

私は自分の腕をみて言った。
剛鬼につけられた傷がもう見えなくなっている。
痛みもない。

「本当だよな、普通だったら1ヶ月はかかる傷だったのによー」


「ねえ、私にもできる?」

私はぼたんに聞いた。


「あー、修行すればね。やってみるかい?」

ぼたんはにこにこしながら言った。
その力をつければ、きっといつか役にたつ。
私は頷いた。


あれから3日。

暗黒鏡も取り戻し、残るは降魔の剣ただ1つ。




「蔵馬は情状酌量の余地がありそうだよ。改心してるし、所在もハッキリしてるしね」

ぼたんがそう教えてくれた。

三人は今、学校の屋上で話している。
ぼたんは何故かセーラー服を着ている。


「そりゃ、良かったけどよ…。お前のその格好はなんだ?」


「あはは、似合うかい?学校で話す時に目立たなくていいだろう?」


浮かれるぼたんを見て、疑問に思う。


ぼたんって普段どこにいて、何してんの?
まあ、存在自体が不思議だからな…。



そんな話をしていると、螢子がやってきた。


「やっぱりここだ!あんたたち、久しぶりに来たと思ったらまたサボって!!」

「螢子…」

めんどくさいのが来た。

「あはは!螢子ちゃんの前じゃあんたたちも大人しいねえー」

ぼたんが笑う。
螢子はきょとんとしている。
そりゃそーだ。
螢子はぼたんを知らない。


「おい、螢子はオメーのこと知らないんだから、ややこしくすんなよ」

幽助がぼたんに小声で言う。

「あ、そっか。じゃあ、またね。あたしゃ退散するよー」



ぼたんの後ろ姿を見ながら、螢子はたずねる。


「あの人だれ?」


…説明がめんどくさい。



「幽助に聞いて」


そう言って、私もさっさと退散した。


後ろで幽助が押し付けやがってとでも言いたげなオーラを感じたけど、無視した。



さあて、ちょっと心霊治療の勉強でもしようかな。


そう思って、学校をふけた。


ぼたんには一通り教わって、なんとなく掴めてきた。
ぼたんは、飲み込みが早いと驚いていたけど。
まだ霊力が絶対的に足りない。
使い方は掴めても、使うための力がないんじゃ話にならない。


どうしたもんかな…。


一人考えていると、目の前に小さい妖怪が現れた。



「女をさらった。返してほしくば町外れの廃工場にこい」



そいつを掴み、手に力をこめる。

「なんだって!女って…もしかして螢子じゃ…!」


「…おっ俺に何かあったら女は死ぬぜ」


妖怪の言葉に手の力を緩める。
その瞬間姿を消した。



「まじかよ…」




そのまま廃工場へ向かう。


螢子が危ない!!
急がないと…!
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