妄想小説 長編(完結)

□準決勝戦!裏御伽チーム
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準決勝が始まるが、幽助は姿を見せなかった。
私の動悸は時々起こるけど、間隔は延びてきている。


新しいレフェリーがリングの中央でチームをリング上に呼ぶ。
なんかギャルっぽい子だな。
ネコちゃんはどこ行った?

と思ったら実況席に座ってた。
そっちに専念するわけね。



リングに上がると、奴らが笑っている。

「大将はどうした?逃げたか?フフフフ」


「お前らじゃ役不足だと」

和ちゃんが言い返すと、奴らの表情が変わった。



「さっさと始めるぞ」

飛影が口をはさんだ。

でかい男がガムを噛みながら笑う。

「威勢がいいな、ボウズ。お前が一番手か?」


「俺で最後だ。ひとりで十分だぜ。
最近の俺はゴキゲンななめだ。ストレスがたまってるんでな」

飛影は早く戦いたくて仕方ない様子だ。


相手チームの髪の長い奴がサイコロを取り出した。

「まあ、そういきりたつな。これで対戦相手を決めないか?
目が出れば生きてる限り何度でも戦える。
自由がでれば自由に選べ」


こんなサイコロ用意するなんて、どんだけ暇なんだ。

「暇な奴らだ。勝手にしろ。幽助の目が出たら俺がやる」


飛影がそう言うと、奴はいいだろうと、サイコロを振った。



サイコロは飛影と魔金太郎と出た。
飛影は嬉しそうに笑っている。




開始の合図の後、魔金太郎は飛影を挑発している。


「どこからでもかかってきな、おチビちゃん」



飛影が剣を見せた。


「剣か、おもしろい」


魔金太郎は笑っている。
ダメだこいつ。


「くっだらな」

「勝負あったな」


私と蔵馬が同時に呟く。



「…めでたい奴だ。気づきもしなかったのか?」


「何をわけのわからねえこと言ってる!かかってきやがれ!」


「もう行った」


飛影はそう言って、魔金太郎の左腕を見せた。

奴はようやく、すでに腕を切られていたことに気づいた。


「もうやめとけ」


飛影は腕を投げつけ、リングを後にしようとした。
魔金太郎は右手を鉞のように形を変えて、懲りずに飛影に斬りかかってきた。



魔金太郎が斬りかかった時にはすでに飛影は魔金太郎の頭の上にいた。


「残像だ」



そう言って、魔金太郎の頭に剣を突き刺した。



あっけない…。

相手がしょぼいのもあるけど、飛影が強いんだ。

久々の試合ってことで、楽しんでるみたいだ。
幽助といい、飛影といい…、男ってどうしてこうなんだろうね。
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