妄想小説 短編
□一方通行
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初めて会った日から、もうすぐ一年がたとうとしていた。
気付けば河嶋さんは、香と呼び名が変わり、俺や幽助たちの正体も知ることになっていた。
そして桑原君やぼたん達とも仲良くなっていて、みんなで顔を合わせることが多くなってきた。
香は、いつも明るく元気だった。
未だに俺を女だと思った話を持ちネタにしていたりする。
俺の正体を知った時も、あっさりしていた。
「へー!本当にそんなことってあるんだね!」
香はそういって感心していた。
「蔵馬ってあだ名だって言ってたから、てっきり相撲好きなのかと思ってたよー!謎がとけたね!」
とその後笑っていたな。
彼女の底抜けの明るさに、俺は惹かれていた。
いや、惹かれていたことに今日気付かされた。