妄想小説 長編 2

□尾行と秘密
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何だか得体の知れない山奥を一人歩いていると、自分がすっかり普通の女子高生じゃなくなってることを実感させられる。

「暗いのとかお化けだなんだっつーか。
それが平気な自分が怖いわ」

そう呟いても、遠くで鳥が鳴いているのしか聞こえない。

歩いても歩いても垂金だかいうやつの屋敷は見えない。
コンパクトを開くと、赤い点滅が少し近づいている。

「やば」


そう小さく言って、気配を絶つ。

蔵馬に教えてもらった方法。
急に気配を消すとバレるから、ゆっくり、野生の動物になるように…。

コンパクトの点滅を頼りに辺りを見回す。

あと数百メートル…。




…いた!



って、超速いんですけど!!


うわ〜ん!ついてけないよー!!


全力で追いかけるけど、いよいよ姿が見えなくなってしまった。

…仕方ない。
作戦変更。




先回り作戦。
…ってまんまですな。


飛影を無視して垂金の屋敷を目指すことにした。



…って。

ここどこ?


飛影を追うのに夢中で、自分の居場所がわかんなくなっちゃった。


「んも〜!パンでも落としておけば良かった!!」


自分の間抜けさに苛立ちながら、森のなかを当てずっぽうで歩き回った。
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