妄想小説 長編(完結)

□霊界探偵始動
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空き地に着くと、奴らは永吉を盾にしていた。

「無事に返して欲しかったら、俺の言うこと聞けよ」

「香、こっちこいよ」

ムカついたけど、とりあえず言うこと聞かねえと永吉が危ない。
和ちゃんが止めるが、ゆっくり奴の元へ向かう。

「お前、前からイイ女だと思ってたんだよ。俺の女になれば永吉返してやるぜ?」

ニヤニヤ気持ち悪い顔しやがって。

答えずにいると、腰に手を回してきた。

「離せよ」

そう言っても勿論離さない。
和ちゃんもツレの奴らも睨みつける。
それに気づいた奴が、和ちゃんに命令した。

「その後ろの奴ら殴れ。さっきからヤな目で俺のこと睨むんだよねー」


「…それはできねえ…」

和ちゃんが、小さく、でもはっきりと拒否した。


すると奴は永吉にタバコの火を向ける。

「殴れよ。目ぇつぶすぞ」


こいっつ〜…!!

和ちゃんも顔色が変わるが、殴ることはできない。
ツレも殴ってくれと言うが、和ちゃんがそんなこと出来るわけがない。


「殴れっつってんだよ!!」
奴がしびれを切らして怒鳴った瞬間。
永吉を捕まえていた奴が吹っ飛んだ。


「誰だ!?」

奴らが慌てる。

そこに幽助が現れた。
永吉を抱き、ちゃっかりリーゼントに整えている。
かっこつけやがって。

「よぉ桑原。地獄から舞い戻ってきたぜ」

「う…浦飯ぃ!!??」



和ちゃん達も奴らも驚いて動揺している。

そのすきに。


「うわっ!」


私の横にいた奴の顔面を蹴りあげた。

「和ちゃん、万倍にして返すよ!!」


それをきっかけに、和ちゃん達が反撃を開始する。
永吉さえ無事に返ってくればこっちのもんだった。

あっという間に奴らを倒していった。


あ!あいつ!

肝心の頭がいない。
慌てて辺りを探す。
すでに幽助が奴を倒していた。

「幽助!」


二人に近づく。

「おぉ、終わったぜ。ってか香、もうちょっと考えてから動けよ。
変なことされてからじゃおせーんだぞ」

幽助が偉そうに説教たれはじめた。

「はいはい」

軽く聞き流していると、ふと倒れている奴の口に何かが見えた。

「幽助、あれ何?」

そう言うと、その何かは驚いてこっちを見た。

「俺が見えるのか?」


そしてどこかへ逃げようとした瞬間、幽助が手で捕まえた。

二人でその何かを見る。

「何これ?」

何かは叫ぶ。
「まさか、見えるだけじゃなく掴むなんて…!」


「変わったぎょう虫だな。しゃべってやがる」

「これぎょう虫じゃないでしょ?ぎょう虫はしゃべんないよ」

二人で何かの正体について議論していると、目の前に女の子が現れた。


「まさか、使令の前に捕まえるなんてね。
そいつは妖怪だよ。前科8犯のやつさ」


青い髪をポニーテールにした女の子が何かいってる。
「あんた、何言ってんの」

私の言葉を遮るように、幽助が驚いて言った。


「ぼ…ぼたん!?何やってんだこんな所で!!」


ん?知り合い?


「香ちゃんは初めましてだね。霊界案内人のぼたんよ、よろしくね」


ぼたんと名乗る女の子は、そう言って無理矢理握手してきた。


知り合いのはずの幽助も驚いている。

ってか霊界案内人って何さー!?
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