妄想小説 長編(完結)

□三人組の盗賊・蔵馬
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3日後。


幽助と二人で校舎裏でだべっていると、見たことない奴が恐る恐る話しかけてきた。


「あ、あの…。二人を校門で待ってる人がいるんだけど…」


幽助と顔を見合わせる。

「なんか呼び出しなんて久しぶりじゃん」

「普通のケンカしてーな、そろそろ」

そういいながら校門へ向かう。

そこにはあの盗賊がいた。


『蔵馬!?』

「やあ、今日が宝を返す約束の日だろう?」


幽助はまた目を合わせてきた。

忘れてた。


「お、おぉ、そうだったな」

幽助も忘れてたくせに。
苦笑いを浮かべた。


「その前に二人に会ってもらいたい人がいるんだ」

蔵馬はそう言って、隣町の病院に案内した。

「南野志保利様」

そう書かれた病室に入る。

ベッドで寝ていた、志保利さんという人は私達が入ると起き上がって微笑んだ。

「秀一、今日はお友達を連れてきてくれたの?珍しいわね」

秀一?

困惑する私と幽助に、志保利さんが話しかける。

「いつも息子がお世話になってます。
もしかして秀一のガールフレンド?」


まさかの問いに顔が赤くなってしまった。
こんなナリの女、ガールフレンドにはしねえだろ!!

「違うよ母さん、友達だよ」

そう言って蔵馬は笑った。

まあそんなハッキリ言わなくったって良くない?
少し顔を赤くして、ぶーたれてたら、幽助がニヤニヤしてた。
ムカついたから、こっそり脛を蹴ってやった。


志保利さんの浴衣の袖から覗く腕にはいつできたのか、古い傷が痛々しく残っているのが見えた。
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