薄桜鬼・妄想小説 long story
□永倉新八 【徒桜】
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永倉さんに私の想いが通じて数カ月…
不器用なその優しさや、真っ直ぐな愛情で私を包んでくれる永倉さんに、前よりももっともっと惹かれていっている自分がいる
これ以上好きになることなんてないと思っている今日より、確実に明日はそれ以上好きになっている…
どこまで好きになればいいのか…自分でも少し怖くなるくらい、彼のことを愛していた…
ただ…
「・・・・・・・・」
丑三つ時も過ぎようかという頃…
私は一人、縁側に腰掛け、ボーッと月を眺めていた
???「なんだ、こんな時間に。まだ起きてたのか?」
振り返ると、そこには怪訝な顔をした土方さんがこちらを見下ろしていた
「…すみません」
土方さんに睨まれると、とりあえず誤っておかなければ、という気になっていまい、小声で一言そう告げた
ハァー…、という深いため息が聞こえ、少しの間のあと、土方さんの表情がフッと緩んだように見えた
土方「…新八を待ってんのか?」
「・・・・・・・」
何も言えない私を見て、やっぱりまたひとつため息を吐くと、急に伸びてきた土方さんの腕が私の腕を掴み、グイっと引き上げられその場に立たされた
「ひ、土方さん!?あ、あのっ!?」
そんな私におかまいなく、ずんずんと歩みを進める彼が、振り返らずに言葉だけを私に向けた
土方「あそこに座ってたって仕方ねぇだろぅが。ま、俺もあいつらにはそろそろお灸を据えてやろうと思ってた所だしな。そのついでだ。ついてこい!」
土方さんの意図がなんとなくわかり、私の表情もこころなしか和やらいでいくのがわかった
「土方さん…」
土方「お前を連れていったらあいつはびっくりすんだろうな。俺の説教よりもいい薬になんだろぅよ」
少しだけこちらを振り返った土方さんの表情に、微かに意地悪そうな笑みが浮かんでいて、そんな土方さんに私もつられて笑みを零した
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