薄桜鬼・妄想小説 long story

□永倉新八【想い人〜すれ違い〜】
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月日は過ぎ、楼主に言われたとおり、私は上まで登りつめた



客に気兼ねすることなく、自分の好きなように振る舞い、適当にあしらう



床入れは何があっても、もうしない


どんなに言い寄られようが、どんなに貢がれようが、それだけは絶対に嫌だった



男なんて、そんなことしか考えてない、ただのけだもの、としてしか見れなくなり



誰かに惚れる、なんてこと、もう一生ないと思っていた



この時までは――――――…











「ええ加減にしてくんなんし、嫌だと言っているでありんしょう?」



「何言ってんだ!!お前にどれだ貢いだと思ってんだ!!今日こそは俺と過ごしてもらうぞ!!」



「放してくんなんし!!勝手にこんねえなことして、どうなるかわかってるの!?」



「そんなの知ったことか!!来い!!」




油断した



ちょっと用があって、店の廊下を一人歩いていたら、後ろから腕をまわされ、今まさに部屋に引きずりこまれそうになっている



この男は、以前から、私に床入れを申し出ていて、店に多額の金をつぎ込んでいた



強引な男と聞いていたので、この男がいるときは、部屋で大人しくしていることにしていたのに…



「とにかく、一度楼主と話してから…」



「そんなこと言って、また逃げる気だろ?もう逃がさねーよ」



厭らしい笑みを浮かべ、その腕にさらに力が込められる



ほんとにヤバい……



そう思った時…




「おいコラ!やがってんじゃねーか!離してやれよ」



「あぁ?誰だテメー!!」



「ったく、こんなとこで騒ぎなんて起こしたくねーんだよ。せっかくの酒がまずくなっちまう。悪りぃこと言わねぇーから、とっとと行っちまいな」



「うるせぇ!!テメーに関係な……いででででで!!」




彼は一瞬で男の手を捻りあげ、私を解放してくれた






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