薄桜鬼・妄想小説 long story
□永倉新八 【想い人〜再会〜】
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「お、おい、お前ら…その、お姉ちゃんって…名前は?」
「名前?知らなーい!ずっとお姉ちゃんって呼んでたし」
「そ、そっか…」
「いつもはね、あっちの奥の甘味屋さんで働いてるの。今日はお休みだからいないけどね」
「…あっちのもっと奥か?」
「そうだよ!でも、おじさん、お姉ちゃんにちょっかいかけないでよねー。ただでさえ、いい寄ってくる人がいっぱいいて、困ってるんだから!」
「…そんなに美人なのか?」
「すっごいキレイだよぉ!!前はね、すごいキレイな着物を着てたんだってぇ!」
「見たかったよねぇ!絶対お姫様みたいだよぉ」
……まさかな…
いや…
でも………
「いたいた!おい、新八!こんなとこで何やってんだよ!!」
「迷子になったかと思ったら、子供のお守りかぁ?」
「お守りとかいうなよ!!俺たちが遊んでやってたんだからな!」
「このおじさんが万華鏡見たいって言うから、見せてあげたの!」
「…万華鏡?」
「新八っつぁん?どうしたんだ?ボーっとして」
「おじさんにね、お姉ちゃんのこと話してたら、こうなったの」
「お姉ちゃん?それって、お前の姉ちゃんなのか?」
「違うよ〜!甘味屋さんのお姉ちゃん!いっつも遊んでくれたりね、万華鏡見せてくれたりね、いろんなお話してくれたりするの!」
「すっごい優しくて、すっごいキレイなんだよ!」
「そんなこと言ったら、またちょっかいかけるやつが増えるだろ!?」
「…新八、もしかして…」
「…いや…まさかなぁ〜!そんなこと・・ある…わけ……」
そんな都合のいいことが…
そう考えようとするも、体が勝手に動き…
「あ!おい!新八っつぁん!!どこ行くんだよ!!」
「平助!追いかけるぞ!!」
「まじかよ〜!!しゃーねーなぁ〜」
気付いたら俺は走り出していた
どうしても、この目で確かめたくて…
子供たちの話が本当なら……
ここにいるのか?
……――――――結花…
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