短編2

□僕らのSex Life 4(R)
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「最近、マンネリだと思いませんか?」

…あー、コイツまた煮詰まってんな。

一応、形だけの返事として「何が?」って聞いた俺に、アイツは「セックスです」と答えてきた。

「……」

ここはバニーの自宅で、いつものように俺達は酒盛りをしてたわけなんだが。
真面目な顔して眼鏡の縁を上げながら話すことじゃないだろう、バニーちゃんよ。
無視を決め込み、グラスの中の酒をあおった時だった。

「あ、れ…」

不意に視界がぐらつく。
今夜はやけに酔いが回るのが早いな…そう思ったのを最後に、俺の記憶はパッタリ途絶えてしまった。




「ん…」

浮上する意識と共に身じろぎしようとした体はなぜか、動かなかった。
それどころか、開いたはずの目は何かに覆われたままで一向に暗闇から抜け出せない。

「なんだよ、これ」

体を動かすと背中に冷たいシーツの感触がする。
ぼんやりする頭で自分の現在置かれている状況を想像して、羞恥と怒りがこみ上げてきた。

「くそっ、」

恐らく、ここはバニーのベッドの上。
全裸の俺は目隠しの上、拘束され放置されている、と言ったところか。
頭上で両腕を縛っているのはアイツのベルトかなんかか?
ったく、痛いし、跡が残ったらどうしてくれる。

そんな事を考えてたら、カチャリと部屋のドアが開く音がした。

「目が覚めたんですか?」
「おい!バニー!ふざけてないで、これ外せ!」
「ふざけてなんかいません。僕はいつだって大真面目です」

ああ、確かにお前は真面目だよ。
それは認める。
だが、勉強熱心なのは仕事だけにしてほしい、というかセックスにそういうのはいらねーんだよ!

怒鳴りつけようとした俺の耳にブーンという微かなモーター音が聞こえてきた。

「今日もめいいっぱい感じて下さいね、オジサン」
「なっ‥」

バニーが近づいてくる気配に視界を奪われた俺は体を竦ませる。
そんな俺の反応に気をよくしたらしく、クスリと笑ったアイツはやっぱりドSの変態だ。

こうなったら意地でも声なんか出してやるもんかと、俺は歯を食いしばった。

「んっ‥」

首筋から耳元にかけてヌメリを帯びた感触が伝い、意志とは無関係に体が震える。

「‥ふぁ‥ん…」

ピチャピチャとイヤラシい音を立てながらバニーの舌が耳の穴に侵入してくると、思わず甘い吐息が漏れた。
感じてなんかやるもんか、そう思うのに…。
触れてくる指が、舌が、正直いつもより気持ちいい。

「く‥そっ…」

目隠しされている分、感覚が研ぎ澄まされ、俺の体に思わぬ快感を生み出しているようだ。

「んっ‥く‥」

バニーの癖のある柔らかい巻き毛が徐々に下へと降りてゆく。
触れる度にくすぐったいような疼きが広がり、俺は自由にならない体を捩った。

「声、我慢しなくてもいいのに」

そう言うなりバニーが左の乳首を口に含んだ。
たまらず、俺はヒッと掠れた悲鳴を上げてしまう。

「気持ちいいんでしょう?」

軽く吸われ、舌で舐め回されるとそこから電流でも流されたように俺の体は情けなくビクついた。

「やっ‥め‥」
「ほら、興奮して乳首が勃ってきた」
「‥くッ‥!」

かみ殺し損ねた喘ぎが漏れる度にバニーは興奮し、俺は羞恥に苛まれる。

しばらく唾液にまみれた乳首を弄んでいたバニーの手元から再びローターの音が聞こえ始めて。

まさか…。

「…あぁっ!」

乳首の先に押し当てられたローターの振動に俺はバカみたいに体を仰け反らせた。
それを見たバニーがクスクスと笑う気配がしてムカついたが、反対の乳首にも同じように執拗な愛撫を施されて反抗の意志は薄れてゆく。

「相変わらず、感じやすいんですね」
「…う、るせ‥」
「あなた、乳首も好きだけどこっちはもっと好きでしたよね?」

ブーンという音が先ほどよりも激しくなり、俺は体を強ばらせた。
何をする気なんだ?

「‥鳴いてください、オジサン」

大きく開かされた足の間からバニーの声がして。

「あ、あ!アァーッ!‥っ…!」

MAXに上げられたローターを直接性器に当てられ、背筋を駆け上った凄まじい快感に俺は恥も外聞もなく叫んでいた。

「やっ‥め、バニー!やだぁ!」

バニーは逃れようとする俺のモノを容赦なく掴むと、先端から根元までローターでなぞり上げてゆく。
気持ち良すぎて頭の中が真っ白になりそうだ。

「ヒィッ!!」

そして、グチャグチャと先走りに濡れた俺のモノはバニーの手と、ローターの刺激によって呆気なくイカされてしまった。



イった後の余韻もクソもなく、今度はローションで解したケツにバニーのモノがぶち込まれる。

「んっ‥はぁ‥」

詰めていた息を吐き出し体の力を抜くと、バニーがゆっくりと抜き差しを開始した。

「虎徹、さん‥」
「くっ‥」

アイツの甘ったるい声が頭の中に染み込んでくる。
こういう、なんていうか、行為の最中に名前を呼ぶのは反則だと俺は思うんだけど。

「あ‥んンッ!」

奥のいいところを突かれて上擦った声が漏れる。
こうなるともうダメだ。

「虎徹さん‥」
「…な‥に、バニー…?」
「その声、反則です」

歯止めが聞かなくなった俺達は激しく互いを貪り合う。

「 ……バニーちゃん…やめ、やめて…くれってっ!」

再び勃起したモノにローターを当てられ、同時に奥を激しく突き上げられた俺はもう何がなんだか分からなくなる。

「…っ!…無理、無理…っ!や、嫌だって…っ!…ぁあっ!! 」

泣き叫ぶ俺を散々好き勝手に弄んで、満足したバニーが体を離した頃には俺は‥。

「くッ‥ハァハァ…」

疲れ果て、ピクリとも動けなくなっていた。

「虎徹さん‥?」
「‥な、んだよ」

怒ってます?と少し後悔を滲ませたバニーの声が降ってくる。

「‥別に」

そう答えるとホッとしたのか、起き上がったヤツがベッドを降りた。
そして拘束を解き、気遣うように俺の体を抱き上げる。

「シャワー浴びますね」
「好きにしろ」

叫びすぎて掠れた声で何とか悪態をつくと、ようやく目隠しが外された。

…ああ、満足そうな顔しやがって。

「どうかしました?」

問いかけられて慌てて目を逸らす。

「…なんでも、ねぇ」


…俺もちょっとヤベーかも。
癖になりそう、なんて一瞬でも思ったことはコイツには内緒だ。








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